壇上で座っているのがユーザー講演者で、左から疋田 真大氏、Heungchul Oh氏、奥村淳之氏、Andreas Küsel氏 日経エレクトロニクスが撮影。
壇上で座っているのがユーザー講演者で、左から疋田 真大氏、Heungchul Oh氏、奥村淳之氏、Andreas Küsel氏 日経エレクトロニクスが撮影。
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図1●大規模階層設計への適用例 ソシオネクストのスライド。
図1●大規模階層設計への適用例 ソシオネクストのスライド。
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 東芝、ソシオネクスト、独Infineon Technologies社、韓国Samsung Electronics社が、米Synopsys社の配置配線設計ツール(EDAソフトウエア)「IC Compiler II」(日経テクノロジーオンライン関連記事1)のユーザーとしてそれぞれ講演した。これらの講演はSynopsysのプライベートイベント「DAC 2016 IC Compiler II Luncheon」(2016年6月6日にDAC 2016と同じオースチンで開催)で行われた(写真)。

 最初に登壇したのは、ソシオネクストの疋田 真大氏(SoC設計統括部 マネージャー)である。同氏は、大規模階層設計、低消費電力小面積設計、高速設計のそれぞれにIC Compiler IIを適用した効果を語った。

扱える規模が4倍以上に

 大規模階層設計ではまず、50M(5000万)インスタンスで16ブロックからなる28nm SoCへの適用例を紹介した(図1)。それまで使っていたツールでは扱えるブロックの規模は120万インスタンスだったが、IC Compiler IIでは500万になった。また、扱えるMCMM(Multi -Corner Multi-Mode)シナリオ数は2倍になり、タイミングECOの繰り返し数が減った。

 同じく大規模階層設計では、20M(2000万)インスタンスで11ブロックからなる40nm SoCへの適用例も紹介した。このチップに関してはフロアプラニングの効果を示した。すなわち、実行時間は1/15に短縮し、必要なメモリー容量を1/4削減した。