ドイツInfineon Technologies社は、電力損失を低減した次世代のIGBTについて、パワー半導体に関する国際会議「ISPSD 2017」(主催:電気学会、2017年5月28~6月1日、北海道札幌市開催)で発表した。同社はIGBT分野の大手企業の上、「しばらく次世代IGBTについて発表がなかった」(複数のパワーデバイス技術者)ことから、講演中の質問時間だけでなく、講演後に多くの聴講者が登壇者に質問していた。

 中でも多かったのが、競合の日本メーカーのパワーデバイスの技術者である。特に、IGBTのセル構造を従来から大きく変えたことに注目が集まった。Infineon社のIGBTではこれまで、「squared trench cell」と呼ぶ構造を主に採用してきた。今回は、「stripe cell(ストライプセル)」と呼ぶ構造を採用した。この構造は、従来から日本のIGBTメーカーが多く採用しているようだ。今後、Infineon社もストライプセル構造をIGBTの主流にするとみられる。