パワー半導体の国際学会「ISPSD 2017」が2017年5月28~6月1日に北海道・札幌市で開催される。同学会をレポートする。
ISPSD2017
目次
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東芝、負バイアス耐圧とESD耐量の両立で面積半分の車載LDMOS
2018年に量産予定
東芝は、ESD耐量を高めた、「Fully Isolated(完全分離型) NチャネルLDMOS」と呼ぶトランジスタを開発した。同トランジスタは、ドレインに負電圧が印加された際の耐圧(負バイアス耐圧)を高めたもの。従来は、実用水準のESD耐量と負バイアス耐圧を確保すると、チップ面積が大きくなってしまっ…
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三菱がSBD内蔵のSiC MOSFET、6.5kV品で面積1/4に
アクティブ領域を大幅減
三菱電機は、SiCのショットキーバリアダイオード(SBD)を作り込んだSiC MOSFETを試作した。耐圧は6.5kVである。SiC SBDとSiC MOSFETをそれぞれ用意する2チップ構成に比べて、1チップ化により、チップ面積を削減できることが特徴である。
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独大手がSiC向け新型モジュール、低損失と高信頼をアピール
Semikron Elektronik社の講演から
ドイツの大手パワーモジュールメーカーであるSemikron Elektronik社は、SiC MOSFETに向けた新しいパワーモジュール「DPD(Direct Pressed Die)」を開発し、パワー半導体に関する国際会議「ISPSD 2017」(主催:電気学会、2017年5月28~6月1日、北…
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「SiC MOSFETに迫る低損失」、新型IGBTとSiCダイオードで
日立製作所がハイブリッドモジュールを開発
日立製作所は、電力損失が小さい新しいパワーモジュールを開発した。トランジスタはSi IGBTで、ダイオードにSiCショットキー・バリア・ダイオード(SBD)を利用した、いわゆる「ハイブリッド型」のモジュールである。IGBTには、同社が次世代品として開発した「デュアルサイドゲート」を備えたIGBTを…
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Infineonが次世代IGBTを発表、競合から質問攻め
ドイツInfineon Technologies社は、電力損失を低減した次世代のIGBTについて、パワー半導体に関する国際会議「ISPSD 2017」(主催:電気学会、2017年5月28~6月1日、北海道札幌市開催)で発表した。同社はIGBT分野の大手企業の上、「しばらく次世代IGBTについて発表…
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東大らが「パワエレ2.0」向け駆動IC、損失を半減
IGBTのゲート電流を動的制御
東京大学と首都大学東京、横浜国立大学の研究グループは、プログラマブルなゲートドライバーICを試作した。従来よりもきめ細かく制御できるようにすることで、IGBTをターンオンした際の損失をおよそ半分にできるのが特徴である。パワー半導体に関する国際会議「ISPSD 2017」(主催:電気学会、2017年…
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米SiC基板メーカー、200mm品の仕様を明らかに
II-VI社の講演から
米II-VI(ツーシックス)社がパワー半導体に関する国際会議「ISPSD 2017」で、SiCウエハー開発の歴史について講演。同社がサンプル出荷している口径200mm(8インチ)のSiC基板について言及した。
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パナが消費電力6割減の独自技術、GaNパワー素子の駆動ICで
小型パッケージにマイクロ波用の回路収める
パナソニックは、GaNパワートランジスタ向けに絶縁性を備えたドライバーICを試作。独自技術で従来よりも消費電力を約60%削減したことが特徴だ。
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パワー半導体の国際会議、アジアに勢い
「ISPSD 2017」開幕
パワー半導体に関する国際会議「The 29th International Symposium on Power Semiconductor Devices & ICs(ISPSD) 2017」(主催:電気学会、会期:2017年5月28~6月1日)が、北海道札幌市で開幕した。