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「小学校体育」でバイタルセンサーに触れよ

大阪市立大学など、ヘルスリテラシー醸成への一案

2017/06/07 09:30
大下 淳一=日経デジタルヘルス
大阪市立大学の原晋介氏
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 スマートフォンやバイタルセンサーが身近にあり、毎日のヘルスケアをいつでも実践できる環境があるのに、実行に移す人が少ないのはなぜか――。

 「第11回 ITヘルスケア学会学術大会」(2017年5月27~28日、名古屋市)のプログラム委員長を務めた大阪市立大学 大学院工学研究科教授の原晋介氏は、その要因がヘルスリテラシーの欠如にあると指摘する。日本では「体温や心拍といった健康に関する基本的な単語が、小中学校の学習指導要領に出てこない。健康管理が家庭で習う事柄にされてしまっている」。

 加えて原氏が指摘するのは、教育現場の疲弊だ。日本の小中学校の教員は、OECD加盟国の中で労働時間が最も長いとされ、しかも放課後や土日のクラブ活動など「非授業」に多くの時間を割かれているという。クラブ活動中に生徒が熱中症で倒れ、訴訟に発展した事例もある。

 ヘルスリテラシーの欠如と、教育現場の疲弊。原氏らはこれらの課題を同時に解決することを目指した5年間の研究プロジェクトに、2016年度から取り組んでいる。情報通信研究機構(NICT)の委託研究として、大阪市立大学と関西大学、明治大学、沖電気工業、シンセシスが共同で取り組む「毎日のヘルスケア実践のためのヘルスリテラシーの醸成」がそれだ。今回の学会では、関連のポスター発表5件を行った。

 プロジェクトでは、小中学校の体育の授業などを舞台に、生徒の体温や心拍数、エネルギー消費量をウエアラブルセンサーなどを用いてリアルタイムに計測。取得した生体情報の意味を生徒に理解させる教育を通じて、ヘルスリテラシーの醸成と健康・安全管理を同時に実践する。

 運動中の多数の生徒の生体情報をリアルタイムに計測することは、技術的にも難度が高い。プロジェクトでは、これに対応できるマルチホップ通信プロトコルや、ビデオ画像を用いたセンサーノードの位置推定などの要素技術を開発。小中学校でその有用性を検証することを計画している。

日経デジタルヘルス Special

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