図1:分析例。設備・オーダー単位のスループット見える化
図1:分析例。設備・オーダー単位のスループット見える化
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図2:エッジコンピューティング・ソリューション
図2:エッジコンピューティング・ソリューション
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 NECは、IoTを活用して製造プロセスと製品を革新するためのソリューション「NEC Industrial IoT」の一環として、生産現場のデータを収集・可視化することで生産性やサプライチェーン全体の流れ、品質の向上を図る「ものづくり見える化ソリューション」を提供する(ニュースリリース)。同社の工場での実証では、生産プロセス改善のためのデータ分析時間を1/20に短縮するとともに、生産性を18%高められたという。

 同社は、2015年6月にNEC Industrial IoTを発表し、自社工場において実証を続けてきた(関連記事)。今回、この実証で培った改善のノウハウと、IoTやAI、ネットワーク、ビッグデータ処理、セキュリティーなどの技術によってエッジコンピューティングを実現。生産現場のリアルタイムな管理と制御を実現するとともに、工場全体の見える化によってセキュアで運用性・効率性に優れるソリューションを構築したとする。

 新ソリューションでは、[1]スループット、[2]品質、[3]オペレーションの見える化に関するメニューを提供する。[1]では滞留を最小限に抑え、最も短いリードタイムで効率的に製品を製造・共有することを目指す(図1)。そのために、オーダーの滞留状況や席左右コストを見える化し、原因を分析して改善活動につなげる。

 [2]では、5M(Men:人、Method:方法、Machines:機械、Materials:材料、Measurement:計測)情報を収集・蓄積し、品質分析やトレーサビリティーに役立てる。複数の製造条件の相関関係を分析することにより、不良の原因を特定して品質向上を図る。

 [3]においては、ビーコンやRFID、画像などを利用して作業員や物の動きをリアルタイムに把握し、最適なナビゲーションによって現場作業の効率を向上させる。動線や滞留ポイントを分析することで、工程設計や作業手順も改善させる。同社の耐騒音音声認識ソリューション「VoiceDo」を利用すれば、声による入力・操作・確認が可能。手入力に比べて業務効率を高められるとする。