前編に続いて後編では、2017年5月に米国で開催されたディスプレー最大の学会「SID」の展示会に出展していた中国、日本、台湾のメーカーの出展内容について、写真と動画を中心に、順に報告する。

LTPS製品群の拡充を図り、有機ELで勝負に出るTianma

 2016年2月に中国アモイの第6世代(G6)生産ラインで最初の液晶パネルを点灯させ、2017年4月には中国・武漢のG6ラインで最初の有機ELパネルを点灯させたTianma Micro-electronics社(天馬)。同社は、低温多結晶Si(LTPS)TFT液晶パネルの製品群を急速に拡充しながら、有機ELパネルの次期製品も意欲的に開発している。今回のSIDでの展示は、その勢いを感じさせた。

 LTPS液晶製品としてはインセルタッチ応用製品を多数展示していた。有機ELの次世代製品も多数展示していたが、さすがに昨年から量産を開始しているだけあって、開発品の展示パネルの画質も粗が目立たなくなってきている。

Tianma社のブースの様子
Tianma社のブースの様子
モバイル用と産業用のディスプレーを多数展示していた。
[画像のクリックで拡大表示]
タブレット端末用に開発した8KのLTPS液晶パネル
タブレット端末用に開発した8KのLTPS液晶パネル
10.4型で、解像度は847ppiである。
[画像のクリックで拡大表示]
インセルタッチ機能付きの9.7型QXGA LTPS液晶パネル
インセルタッチ機能付きの9.7型QXGA LTPS液晶パネル
[画像のクリックで拡大表示]
4型と5.6型のユニークな曲面デザインのLTPS液晶パネル
4型と5.6型のユニークな曲面デザインのLTPS液晶パネル
[画像のクリックで拡大表示]
5.46型WQHD狭額縁インセルタッチLTPS液晶モジュール
5.46型WQHD狭額縁インセルタッチLTPS液晶モジュール
[画像のクリックで拡大表示]
5.49型フルHDの折り曲げ型有機ディスプレー
自分で曲げてみることができるので、どのように有機ELディスプレーの基板が曲がっていくのかをじっくりと観察できる。
次世代製品として開発中の5.2型WQHD有機ELパネル
次世代製品として開発中の5.2型WQHD有機ELパネル
[画像のクリックで拡大表示]
ウォッチ端末用の1.2型有機ELディスプレー
ウォッチ端末用の1.2型有機ELディスプレー
画素数は390×390である。
[画像のクリックで拡大表示]
5.5型フルHD有機ELディスプレー
5.5型フルHD有機ELディスプレー
量産立ち上げ中の主力製品である。
[画像のクリックで拡大表示]
VR向け5.2型WQHD有機ELパネル
VR向け5.2型WQHD有機ELパネル
[画像のクリックで拡大表示]
Tianma社のブースに展示されたNLTテクノロジーの有機ELディスプレー
Tianma社のブースに展示されたNLTテクノロジーの有機ELディスプレー
4.2型で272×480画素と解像度は控えめだが、フル白輝度は650cd/m2と高い。産業用応用を目指して国内で開発された有機ELディスプレーである。
[画像のクリックで拡大表示]
Tianma社のブースに展示されたNLTテクノロジーの空中浮遊映像
炎が浮かび上がって見えるだけでなく、手を入れると炎の熱も感じることができるので、ぱちぱちという音とともにまるで火の粉が飛んできそうな感じがする。
空中浮遊映像のシステム構成図
空中浮遊映像のシステム構成図
炎の中心部分が暖かくなるようにしてあり、音も炎のあたりからちょうど聞こえてくるように工夫してある。
[画像のクリックで拡大表示]