開催中のディスプレー分野で世界最大の学会「Society for Information Display(SID)」(2017年5月21~26日、米国ロサンゼルス)の展示会では、入り口近くの一等地に韓国のSamsung Display社とLG Display社が隣り合ってブースを構えている。

Samsungの将来技術の展示に行列

 Samsung Display社の展示ブースの注目株は、将来技術として展示されている伸縮可能な有機ELディスプレーと、ホログラフィックディスプレーと称する2種類のディスプレー。ブース内の暗室に展示しており、実際にディスプレーを見ようとする人で、常に長蛇の列ができていた。

Samsung Display社の展示ブース
Samsung Display社の展示ブース
将来技術の展示を見ようと、長い行列が常にできていた。
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 伸縮可能な有機ELディスプレーは、伸び縮みに対応できるように、樹脂基板上に一定の間隔を空けて有機ELの画素を配置したもの。展示ブースでは、画面中央が奥に凹んだディスプレーと、手前に突き出したディスプレーを展示していた。さらに、画面中央の突き出し(反対側から見ると凹み)の程度が動的に変化するディスプレーも試作し、展示した。

 ホログラフィックディスプレーという位置付けで展示していた2種類のディスプレーは、超高精細の透過型液晶ディスプレーと、自然な立体視が可能なライトフィールドディスプレーである。超高精細の透過型液晶ディスプレーは、精細度が2250ppiと非常に高い。AR/VR、そしてホログラフィックディスプレーの用途を想定している。

 ライトフィールドディスプレーは、立体視可能な範囲が30度。26の視点に対応する。5.09型の有機ELを使用している。用途は、飛び出す絵本、ゲーム、ヘッドマウントディスプレー、車載ディスプレーを想定している。