ドイツInfineon Technologies社は、電動車両向けパワーモジュール(車載モジュール)「HybridPACK」シリーズのラインアップを拡充する。「PCIM Europe 2017」(2017年5月16日~18日、ドイツ・ニュルンベルク)で、新しい品種を出展した。加えて、SiC MOSFETの搭載を想定した車載モジュールを発表した。

 新しい品種は、HybridPACKシリーズのうち、今回ラインアップを広げたのは、「HybridPACK Drive」である(関連記事)。既に製品化済みの標準モデルに加えて、出力を高めたモデルと、出力を低くして価格を「リーズナブルにする」(Infineon社 Automotive High Power Vice President & General ManagerのStephan Zizala氏)モデルを開発した(図1、2)。

図1 「HybridPACK Drive」のラインアップ。中央にあるのが、量産中の標準モデル。
図1 「HybridPACK Drive」のラインアップ。中央にあるのが、量産中の標準モデル。
(図:Infineon社)
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図2 一番右上にあるのが、標準モデルに比べて出力を1.2倍にした高出力品。そこから左下に向かって、標準モデル、出力0.9倍の低出力モデル、出力0.8倍の低出力モデルである。
図2 一番右上にあるのが、標準モデルに比べて出力を1.2倍にした高出力品。そこから左下に向かって、標準モデル、出力0.9倍の低出力モデル、出力0.8倍の低出力モデルである。
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 高出力モデルは、標準モデルに比べて出力を1.2倍にした。耐圧750V品と1200V品がある。低出力モデルは、標準モデルに比べて出力を0.8倍と0.9倍にした2種類がある。前者は、モジュールの裏面はフィンなどがない平らな構造で、後者は放熱フィンとしてリボン型の突起物を備える(図3)。標準モデルや高出力品はピン型のフィンを備えている。

図3 出力0.9倍モデルの裏面。放熱フィンとして、リボン型の突起物を備える。
図3 出力0.9倍モデルの裏面。放熱フィンとして、リボン型の突起物を備える。
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