パワーデバイスや、インバーターやコンバーターといったパワーエレクトロニクス機器の展示会「PCIM Europe 2017」が2017年5月16~18日にドイツ・ニュルンベルクで開催される。同展示会をレポートする。
PCIM Europe 2017
2017年5月16~18日にドイツ・ニュルンベルクで開催
目次
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GaNパワー素子がクルマに載る、8インチ化も開始
シャープのモジュール品も登場
「我々のGaNパワートランジスタがアジアの自動車メーカーの2019年モデルに採用される」――。GaNパワートランジスタを手掛けるカナダのベンチャー企業GaN Systems社でVice President Sales and Marketingを務めるLarry Spaziani氏は、こう胸を張る。…
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日立が次世代IGBTを進化、損失さらに3割減
日立製作所は、同社従来品に比べてスイッチングの損失を大幅に削減できるIGBTを試作し、「PCIM Europe 2017」(2017年5月16~18日、ドイツ・ニュルンベルク)内のカンファレンスで発表した。同社が次世代のIGBTとして開発を進める、スイッチング損失の低減に向く「サイドゲート」構造を…
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富士電機もSiC トレンチMOSを量産へ、モジュール品も試作
富士電機は、口径150mm(6インチ)のSiC基板を利用して、トレンチ型のSiC MOSFETを開発した。まずは「社内需要」(同社のパワーモジュール)向けで利用する考えで、同MOSFETを採用したパワーモジュールを2017年中に実用化する予定である。「PCIM Europe 2017」に併設された…
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出力密度53kVA/Lの富士電機の電動車両向けインバーター
「RC-IGBT」搭載のパワーモジュールを採用
富士電機は、出力密度が53kVA/リットル(L)の電動車両向けインバーターを開発し、「PCIM Europe 2017」に出展した。この出力密度は「業界最高水準」(説明員)である。インバーターの外形は平らな箱形で、大きさは230mm×205mm、高さは72mmと低い。体積は3.39Lである。
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ディスクリートIGBT向け新絶縁技術、熱抵抗を3割超削減
Infineonが開発
ドイツInfineon Technologies社は、ディスクリートIGBTに向けて、新しい絶縁技術を開発し、「PCIM Europe 2017」に出展した(図1)。IGBTの接合部からヒートシンクまでの熱抵抗「Rth(jh)」を30%以上削減できることが最大の特徴である。
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Infineonが車載モジュールを拡充、SiC MOSFET搭載も視野
ドイツInfineon Technologies社は、電動車両向けパワーモジュール(車載モジュール)「HybridPACK」シリーズのラインアップを拡充する。「PCIM Europe 2017」で、新しい品種を出展した。加えて、SiC MOSFETの搭載を想定した車載モジュールを発表した。
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パナがフィルムコン内蔵の車載インバーター、体積を半分に
コンセプトモデルを出展
パナソニックは、インバーター回路の入力側に配置する平滑用(「DCリンク」用)のフィルムコンデンサーを内蔵したインバーターモジュールを試作し、「PCIM Europe 2017」に出展した(図1)。体積は1.6Lで、同コンデンサーを外付けする場合の体積(3.1L)のほぼ半分だという。
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三菱電機、産業用IGBTモジュールの熱抵抗を半分に
ベースプレートを省いた構造のパッケージと新しい熱伝導材料を採用
三菱電機は、ベースプレートを省いた構造と新しい熱伝導材料を採用することで、産業用IGBTモジュールの熱抵抗を約半分にした。この成果を、「PCIM Europe 2017」(2017年5月16日~18日、ドイツ・ニュルンベルク)に併催のカンファレンスで発表した。
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フルSiCの3.3kVモジュールを日立が開発、新パッケージを採用
日立パワーデバイスは、耐圧3.3kVで出力電流が450AのSiCパワーモジュールを開発し、「PCIM Europe 2017」(2017年5月16日~18日、ドイツ・ニュルンベルク)に出展した。ダイオードとトランジスタがいずれもSiC製の、いわゆる「フルSiC」のパワーモジュールである。
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富士電機 、産業用RC-IGBTの1000A品を初展示、車載向けには低コスト品も
富士電機が、IGBTとダイオードを1チップ化した「RC-IGBT」の適用範囲を広げている。同社はこれまで、自動車用のパワーモジュールにRC-IGBTを適用してきた。今後は、産業機器向けのパワーモジュールでも採用を広げる。「PCIM Europe 2017」では、「DualXT」と呼ぶモジュールに利…
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SiCを推すInfineon、トレンチMOS量産、モジュール品拡充
ドイツInfineon Technologies社は、SiC MOSFETを2017年内に量産する。昨年に同社は、特定用途向けに2016年下期からサンプル出荷を開始し、2017年に量産を始める予定を明らかにしていた。その際に、SiC MOSFETを搭載したパワーモジュールのラインアップを拡充すること…
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GaNパワー素子を200mmウエハーで、仏Exaganらが量産技術
フランスのベンチャー企業であるExagan社と、SiファウンドリーのドイツX-FAB社は、口径200mm(8インチ)のSi基板によるGaNパワートランジスタの量産技術を確立したことを明らかにした。