SiC MOSFET
SiC MOSFET
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6インチウエハーで作ったSiC MOSFET
6インチウエハーで作ったSiC MOSFET
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「Power Block」。左が単相、右が3相対応品である。
「Power Block」。左が単相、右が3相対応品である。
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 米General Electric(GE)社は、同社が手掛けるSiC関連製品を「PCIM Europe 2016」に出展した。SiC MOSFETや同MOSFETを用いたモジュール、同モジュールを用いたインバーターをアピールしていた。

 GE社の説明員によれば、今から約30年前に半導体事業から撤退してから数年後、つまり20年ほど前から、GaNやSiCといったワイドバンドギャップ半導体の研究を開始したという。その後、今から約10年前に、SiCに集中することを決めたとする。太陽光発電システムや風力発電システムといった、高耐圧のパワー素子を求めるようなアプリケーションにGE社が注力しており、それらの機器に多くのメリットをもたらすと考えたからだ。

 SiCパワー素子の中でも、GE社はSiC MOSFETの開発に集中している。SiCダイオードは多くの企業が手掛けており、外部から調達すればよいという判断からである。

 現在、同社が第3世代品と位置付ける品種を製品化している。ブースでは耐圧1200V品を展示していた。200℃対応を特徴にうたう。具体的には、接合温度(Tj)25℃でのオン抵抗は標準25mΩで、同温度が200℃の際は、標準47mΩ、最大51mΩになる。条件によるが、出力電流は最大100A。加えて、車載用ディスクリート半導体の品質規格「AEC-Q101」に準拠する点を特徴にうたう。しきい値電圧は3.2Vである。

 口径100mm(4インチ)のSiC基板でSiC MOSFETを少量作っているが、2017年からは口径150mm(6インチ)の基板を利用して量産を始める予定。現在、米国ニューヨーク州にある工場に、6インチ基板を利用する製造ラインを構築中である。