中国・深センのインターコンチネンタルホテルで開催された「IFA Global Press Conference 2016」の講演で、米IHS社のPrincipal AnalystのPaul Gray氏が、4Kテレビと8Kテレビの最新の普及予測を明らかにした。

IHSのPrincipal AnalystのPaul Gray氏
IHSのPrincipal AnalystのPaul Gray氏
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 Gray氏の予測は、同氏がDisplaySearchに所属していた時代から、業界の注目の的だった。2014年にトルコ・アンタルヤ市で開かれた同カンファレンスでは、当時勃興していた曲面テレビに関して「2016年には峠を越え、17年には頭打ちになります」と予言(関連記事)。確かにテレビの世界シェア第2位の韓国LG Electronics社は2016年モデルで、液晶テレビの一部に曲面を残すものの、有機ELでは曲面から撤退してフラットに戻った。Gray氏の見立ては「あれはファッションだから、一時の流行に過ぎません」。なるほど、鋭い予測であった。

 そのGray氏が、今回は、4Kテレビと8Kテレビの最新の普及見通しを明らかにした。4Kテレビは2019年までに全世界で2億9000万台が普及するとした。同氏が示した、2015~2020年の4Kテレビの出荷台数は以下の通り。

 2015年 3163万5000台
 2016年 5482万1000台
 2017年 7824万5000台
 2018年 9367万3000台
 2019年 1億534万7000台
 2020年 1億1218万台(この時点で普及率は35%)

4Kテレビの最新の普及見通し
4Kテレビの最新の普及見通し
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 2014年にトルコ・アンタルヤ市で開かれたカンファレンスでは、「2014年に1200万台弱、2016年に約4600万台、2017年に約6100万台」という見通しを語っていたが、その後、予想以上に全世界で4K市場が伸びている。地域で特徴的なのは、中国市場が毎年、半数近くを占めることだ。中国では4K放送は全くなく、アナログ伝送の地域も多い(ほとんどがケーブルで視聴)。つまり、HDもしくはアナログSDを4Kにアップコンバートしてみているのである。