2017年4月19~21日に幕張メッセで開催された「TECHNO-FRONTIER 2017」では、IoT時代を見据えた、状態監視機能と通信機能を備えた汎用インバーターやモーター、電源の新製品の提案が相次いだ。いずれも、稼働状態を監視し、予兆保全などに生かす応用を想定している。背景には、「従来の小型化や高効率化だけでは、年々差異化するのが難しくなってきた」(あるインバーターメーカーの説明員)ことがある。そこで新たな付加価値として、予兆保全やユーザーの利便性向上などに向けた“つながる”製品の開発に力を入れているという。

 例えば三菱電機は、2017年4月に発売したEthernet通信機能を備えたインバーターの新製品「FR-A800E/F800-E」を出展した。同インバーターにIPアドレスを割り振ることで、インターネットを経由して遠隔地、例えば工場外のオフィスから工場内のインバーターの状態を監視したり、各種パラメーターを設定したりできる。無線LANアダプターを付けることで、無線通信も可能になる。

 

 加えて、インバーター間で同期運転できる機能を備えた。Ethernetに接続している2台(マスターとスレーブ)のインバーターの内、マスター側のインバーターに運転指令を出せば、スレーブ側もマスター側と同一の指令を実行してモーターを駆動する。

「FR-A800E/F800-E」のデモ。マスター側のインバーターに運転指令を出せば、スレーブ側もマスター側と同一の指令を実行してモーターを駆動する。
「FR-A800E/F800-E」のデモ。マスター側のインバーターに運転指令を出せば、スレーブ側もマスター側と同一の指令を実行してモーターを駆動する。
[画像のクリックで拡大表示]