サンケン電気は、デジタル制御電源用マイコンの開発ロードマップを「TECHNO-FRONTIER 2017」(2017年4月19~21日、幕張メッセ)の同社ブースに掲げた(図1)。

図1 デジタル制御電源用マイコンの開発ロードマップ。サンケン電気のサインボード。
図1 デジタル制御電源用マイコンの開発ロードマップ。サンケン電気のサインボード。
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 現在同社は、1個の8ビットCPUコアと2個の16ビットDSPコアの合計3つのプロセッサーコアを集積した「MD6602」を量産中だ。この製品の次世代版に当たるのが「MD6603」である(関連記事:サンケンがデジタル電源用マイコン、マルチタスク処理を強化)。「MD6603のサンプル出荷は2017年夏ごろに始める予定」(同社の説明員)という。

 MD6603では、従来の3コアに加えて、「EPU(Event Processing Unit)」と呼ぶ16ビット・プロセッサー・コアを集積した。EPUは、雑音の除去や、EMI(放射電磁雑音)対策、各種保護機能、異常状態検出などのタスクを担当する。出力電圧を安定化させるフィードバック制御を担当する16ビットDSPコアと並列処理することで、電源回路本来の性能に影響を与えることなく、さまざまな複雑なタスクを実行できるようになるという。

図2 「MD6603」のデモ。MD6603を搭載したデモボードとパソコンを接続し、GUIベースの開発ソフトウエア上でパラメーターを入力すると、DC-DCコンバーターの特性が直ちに変わることを見せていた。筆者が撮影。
図2 「MD6603」のデモ。MD6603を搭載したデモボードとパソコンを接続し、GUIベースの開発ソフトウエア上でパラメーターを入力すると、DC-DCコンバーターの特性が直ちに変わることを見せていた。筆者が撮影。
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