浜松ホトニクスは、3~5Vの入力電圧を最大1100Vまで昇圧して光電子増倍管に供給できる、超小型電源モジュール「C14210-14」を開発した(ニュースリリース:PDF)。同社従来製品と同じ安定性を維持しながら、体積、質量ともに半分以下にした。

左が新製品の電源モジュールの「C14210-14」、右はその評価ボードの「C14347-01」。浜松ホトニクスの写真。
左が新製品の電源モジュールの「C14210-14」、右はその評価ボードの「C14347-01」。浜松ホトニクスの写真。
[画像のクリックで拡大表示]

 新製品は、衛生管理や医療用簡易検査、セキュリティーなどの分野で用いられる、携帯可能な小型の計測機器の光電子増倍管の駆動電源に向けたものである。こうした計測器の国内外のメーカーを対象にして、2017年5月8日よりサンプル受注を開始する。また、新製品を実装した評価用ボード「C14347-01」のサンプル受注も同時に始める。同社は、同年4月19日~4月21日に幕張メッセで開催される「TECHNO-FRONTIER 2017 第32回電源システム展」に新製品を展示する。

小型の衛生管理機器への応用例。浜松ホトニクスのイメージ。
小型の衛生管理機器への応用例。浜松ホトニクスのイメージ。
[画像のクリックで拡大表示]

 同社は、従来から小型の光電子増倍管および、それ向けの小型電源モジュールを開発してきた。これらは、診療所や個人病院での医療用簡易検査機器や空港で使用される手荷物検査機器など、さまざまな分野で用いられる携帯可能な小型の計測機器に使用されている。最近は、こうした計測機器の小型化が進み、化学反応による発光を測定してO157などの雑菌の量を簡易検査する衛生管理機器をはじめ、医療、環境計測などさまざまな分野で応用が広がってきたという。それにつれて、光電子増倍管および電源モジュールに対してもより小型化の開発が求められている。