デジカメやスマホから直接アップロード・管理できるオプション機能を参考出品
デジカメやスマホから直接アップロード・管理できるオプション機能を参考出品
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 医用画像クラウドサービス基盤「Medical Image Place」の新サービスとして、医療施設内の医用画像をクラウドサービス上で保管・閲覧・管理できる「医用画像システムサービス」の提供を開始したキヤノン(関連記事)。同社は、医療画像を患者情報と関連付けて統合的に管理・閲覧できる「統合医療画像管理システム」のオプション機能を「2016 国際医用画像総合展(ITEM 2016)」(2016年4月15~17日、パシフィコ横浜)に参考出品した。

 統合医用画像管理システムは、X線やCT装置、MRIなどの医療画像だけでなく、デジタルカメラで撮影した静止画や動画、帳票などさまざまな画像を統合的に管理できる。それらの情報を閲覧するための画像ポータル(Clinical Visual Portal)上では、画像種別と時系列のマトリックスで表示する。今回参考出品したオプション機能は、(1)デジタルカメラ連携、(2)ネットワークカメラ連携、(3)電子サインシステム、の3種類。

 (1)のデジタルカメラ連携機能は、Wi-Fi機能付きのデジタルカメラやスマートフォンの内蔵カメラで撮影した写真を直接、当該患者にひも付けてアップロードできるもの。病棟や在宅医療・介護現場での褥瘡管理などの利用を想定しており、将来的には褥瘡の画像の解析などを可能にするという。

 (2)のネットワークカメラ連携機能は、院内のさまざまな場所に設置されたネットワークカメラで撮影された動画を同様にアップロード・管理できるもの。手術室での手術映像やリハビリ室での歩行訓練などの動画管理に利用する。「手術のモニター映像ではオペ開始時、あるいはオペ終了30分前などを通知する機能を付加することで、病棟スタッフの受入準備などに役立てられる。また、歩行訓練の動画は、歩行解析などにつなげたい」(キヤノン)。

 (3)の電子サインシステムは、帳票のフォーマット群から必要な帳票を選択し、タッチペン式のタブレット端末などで、1回のサインですべての帳票に電子署名を反映できる仕組み。「手術によっては何通もの同意書に患者、家族などの自著や押印が必要になる。必要な同意書を選択・PDFで表示し、画面上で署名してもらい、管理できるようにする」(キヤノン)と説明する。

 これらのオプション機能の提供時期は未定だが、「今年度中を目途とし、いくつかの医療機関で試験運用を開始する」(キヤノン)考えだ。