参考展示したMRI
参考展示したMRI
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 東芝メディカルシステムズは、3T(テスラ)のMRIを省スペース化かつ静音化する技術を開発。同技術を搭載したMRIを「2016 国際医用画像総合展(ITEM 2016)」に参考展示した。現時点では薬事未承認だが、2016年度中に同技術を搭載した製品の販売を目指す考え。

 省スペース化については、1.5T装置を導入しているほとんどの施設において、そのままのスペースで3T装置の設置が可能になることをうたう(同社の1.5T装置の既存納入施設における調査結果から)。従来の3T装置では、撮影時間の短縮化や高分解能化へ対応するために傾斜磁場コイルシステムの出力を増加させる必要があり、システムの大型化につながっていたという。単に電気容量を減らして小型化した場合、高出力の傾斜磁場性能を得られないだけでなく、内部電圧の変動により目的の出力を達成できず画像の劣化を引き起こす問題があった。

 今回開発した技術では、シーケンスプログラムと内部電圧の変動を高度に管理するシステムを構築。最適化された電源システムにより、高出力を変動なく安定して発生させる環境を実現したという。

 静音化については、同社では既に、ハードウエアの工夫により検査時の騒音を低減する技術「Pianissimo」をMRIに搭載してきた。今回は、新たな撮像手法を開発し、さらなる静音化を図った。これにより、Pianissimoを搭載していない同社MRI比で検査時の騒音を最大99%低減することをうたう。

 MRIでは傾斜磁場コイルに電流を流して撮像を行う。大きな騒音は、その電流波形によって傾斜磁場コイルが振動することで発生する。今回は、撮像方法を工夫することで、電流波形の変動を限りなく小さくしたという。