システムのイメージ
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 富士通は、大規模医療機関向け電子カルテシステム「FUJITSU ヘルスケアソリューション HOPE LifeMark-HX(ホープ ライフマーク エイチエックス)」とシームレスに連携する新しい診療画像ソリューションを2016年4月15日より販売する(出荷時期は同年7月上旬を予定)。提供する診療画像ソリューションは、放射線撮影の業務を一元管理するRIS(放射線情報システム)、放射線治療に必要な状況共有機能を提供する治療RIS、画像撮影装置から受信した画像データを保管・閲覧・管理するPACSの3製品で構成する。

 従来は電子カルテシステムとは別システムだったRISをHOPE LifeMark-HX専用の「生体検査ライブラリ」として提供、電子カルテデータとのデータ統合を可能にした。また、同ソリューションは横河医療ソリューションズとの共同開発により、従来の電子カルテシステムとのスムーズな連携機能を継承しつつ、RIS、治療RIS、PACSのそれぞれで機能強化を図っている。今回のソリューションは「2016 国際医用画像総合展(ITEM 2016)」(2016年4月15~17日、パシフィコ横浜)に出展する。

 診療画像ソリューションを構成する3製品は、FUJITSU ヘルスケアソリューション HOPE LifeMark-HX 生体検査ライブラリ、同HOPE LifeMark-治療RIS、同HOPE LifeMark-PACS。

 診療放射線技師の撮影業務を支援するHOPE LifeMark-HX 生体検査ライブラリは、電子カルテシステムの放射線オーダーの受付・実施内容入力の支援機能、撮影装置への患者情報・オーダー情報送信や照射録管理機能、統計を行うためのデータ書き出し・抽出機能を装備する。新機能として、各技師が実施した検査内容・検査結果などを記録しておく技師業務日誌作成機能や、技師長が各技師の業務日誌を確認しながら業務の割り振りなどを設定できる技師業務ローテーション管理機能など、技師の業務効率化を支援する機能を追加している。

 また、ビジネスインテリジェンスツールを標準装備するHOPE LifeMark-HXとのデータ統合により、放射線技師が業務分析を行う際に、放射線検査業務内容・結果を診療情報やほかの検査結果、医事会計システムデータなどと合わせて検索が可能。蓄積したデータを業務改革や経営分析にも活用できるという。

 HOPE LifeMark-治療RISは、異なる医療職種スタッフがチームとなって実施するがんの放射線治療において効果的なチーム医療を支援する。スタッフ間で患者状態を共有することをコンセプトに、各種の放射線治療情報を患者ごとに集約して管理する機能、職種ごとのTODOリスト機能やスケジュール管理機能などのユーザーインターフェースの改善・強化を図っている。また、必要に応じて患者の状態と治療情報を診療部門と共有することも可能。

 新機能として、治療装置から取得するデータを参照できる放射線治療部門専用の画像ビューア機能を装備。治療装置でのシミュレーションで決定した最適な照射方法を取り込んで参照できるほか、治療計画がわかりやすいように線量分布図を作成することもできる。また、治療計画画像を可搬媒体に記録できるため、院外での活用も可能。データを書き込む際には患者情報を匿名化し、操作ログを自動的に記録することで、可搬媒体の盗難などに備えている。

 HOPE LifeMark-PACSは、医療用画像の保管、閲覧、管理機能に、レポート作成コンポーネントも装備。電子カルテシステムの情報をシームレスに参照しながらレポート作成を可能し、スムーズな医師の業務遂行を支援する。放射線科医向けの新機能として、放射線検査後にフォローが必要と思われる患者を登録し、電子カルテの手術や病理検査結果と合わせて把握管理できるフォローリスト機能と、重要な症例画像に自由に名前をつけてテーマごとに保存・登録・検索できるスクラップブック機能を装備した。

 また、管理する医療画像データをデータセンターに保管するためのデータ送受信機能を装備しており、医療機関内に巨大なストレージを設置することなく、年々増え続ける診療画像データを外部保管することも可能という。