医用画像システムサービスの概要図
医用画像システムサービスの概要図
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 キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)は、医療施設内の医用画像をクラウド上で保管、管理、閲覧できる「医用画像システムサービス」を2016年4月14日より提供を開始する。同サービスは、2014年10月に開発した医用画像クラウドサービス基盤「Medical Image Place(メディカルイメージプレイス)」を拡充したもので、「読影インフラサービス」「医用画像外部保管サービス」に次ぐ、第3のサービスとして提供するもの。「2016 国際医用画像総合展(ITEM 2016)」(2016年4月15~17日、パシフィコ横浜)にMedical Image Placeの3つのサービスを紹介する。

 医用画像システムサービスを利用することによって、CTやMRI、X線撮影装置などで撮影した検査画像をクラウド上で保管・管理でき、必要に応じてクラウド上から閲覧もできる。閲覧には、同社が提供する「統合医療画像管理システム」の画像俯瞰機能を利用して、画像種別と時系列のマトリックスで表示する。同機能はDICOM画像だけでなく、デジタルカメラで撮影した静止画や動画、紙の紹介状や診断書などの文書データも、患者ごとにマトリックス表示することが可能で、医療従事者の画像参照のスピード化が図れ、必要な診療情報を一目で見つけることができるという。

 また、「Medical Image Place」専用端末を施設内に設置することより、厚生労働省、経済産業省、総務省が提示する医療情報システムに関するガイドラインに準拠した高いセキュリティー環境を担保したクラウドの通信形態を構築できる。さらに、Webブラウザーを用いてクラウド経由で必要に応じて利用することができることから、従来の施設内設置型のPACSの構築・運用のようにサーバー、ソフトウエアの購入や複雑なネットワーク構築、保守サービスの加入などが不要で、システムの保守サービスを最小限に抑えることも可能という。

 医用画像システムサービスを利用した施設外からの医用画像参照機能は、在宅医においてはキヤノンMJグループが運営するクラウドサービス基盤に保管された画像をタブレット端末などで訪問診療先から確認することが可能になるほか、夜間や救急時に専門医が自宅の端末を利用して画像確認やレポート記入が可能になる。

 また、地域内で連携している病院とクリニックを結ぶオンライン検査予約も搭載。連携先医療機関の各種検査機器による検査予約や、実施した検査の画像と読影レポートのWebブラウザーを用いた閲覧ができる。