今後は院外からPACSへの画像転送も

 SonoSite iVizは、超音波画像を共有するための機能として無線LANを搭載する。院内無線LAN環境を利用してベッドサイドで検査した超音波画像をPACSに転送できる。さらに今後は、セキュアなネットワーク環境下で院外から院内のPACSに検査画像を送信できる機能を追加していく予定という。また、ミニHDMI端子も装備しており、大画面モニターを用いたカンファレンスなどでの画像表示が可能だ。

 カメラ機能とマイクも内蔵。救急や在宅診療の現場で患者の意識状態や外傷の状況、病状などを静止画や動画で撮影したり、診断内容を口述記録したりといったこともできる。

 富士フイルムではSonoSite iVizによって、「病棟ベッドサイドや集中治療室、在宅医療、僻地医療、ドクターカー・ドクターヘリや災害現場など緊急を要する現場で的確な超音波診断を提供していく」(執行役員 R&D統括本部メディカルシステム開発センター長 早川利郎氏)考え。現場での一次診断として主に利用することを想定するが、「従来の携帯型超音波検査装置は数万画素程度の画像品質で、その場での診断は難しい。140万画素の画像表示が可能で、通常のテーブルトップ型と同様の診断モードを持ち、的確な超音波画像診断を実現できる」(同氏)と、従来の携帯タイプの超音波装置と一線を画すことを強調した。

富士フイルムの後藤氏(右)と早川氏(左)
富士フイルムの後藤氏(右)と早川氏(左)
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 富士フイルムによると、全世界の携帯型超音波市場は約1400億円で成長率は年5%程度。「(SonoSite iVizは)POC(Point of Care)向けというだけでなく一般診断に適用できる製品で、“面”で市場拡大する。(携帯型超音波市場における)世界シェアはGEに次いで第2位だが、本製品で台数的にはGEに肉薄できると思っている」(執行役員 メディカルシステム事業部長 後藤禎一氏)と述べた。