不整脈の早期発見などに活用されているイメージ ワンのduranta
不整脈の早期発見などに活用されているイメージ ワンのduranta
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 イメージ ワンは、電極パッドを胸に貼るだけのテレメトリー式心電送信機「duranta」(デュランタ)を「2017国際医用画像総合展(ITEM 2017)」(2017年4月14~16日、パシフィコ横浜)で展示した。介護施設や在宅患者の遠隔見守りとして提供を開始したツールだが、不整脈の診断領域での活用が始まっている。

 durantaは小型・軽量で、電極パッドを使って胸部に貼り付けるだけで心電波形を連続計測できる。BluetoothでiOS端末(iPhone/iPad)と連携でき、携帯電話回線を使って遠隔地のiOS端末からも心電波形が見られる(関連記事)。昨今、利用が期待されているのが、「不整脈の早期発見や術後の経過観察、ホルター心電図での観察期間の長さが十分でない場合の追加検査として利用」(イメージ ワン営業企画グループ統括マネージャーの岡庭貴志氏)だという。

 心臓にできた血栓が脳の血管まで到達し、詰まることで脳梗塞を発症する心原性脳梗塞症。心臓に血栓を作りやすい症状として心房細動(不整脈)が最も多くみられることから、その不整脈のスクリーニングとしてdurantaを利用するという試みである。「1日のホルター心電計のデータでは不足だとも言われ、最近では1週間あるいは2週間連続で測定できるホルター心電計もあるが、簡便とは言えない」(同氏)とし、小型で装着が簡単、7日間連続で計測でき、全データをクラウド保存して解析できるというdurantaの特徴が生かされると説明する。

 durantaの不整脈領域での実際の研究が、聖マリアンナ医科大学や東北大学の小児科などで始まっている。前者は、不整脈の早期発見することで重大な脳卒中の発症や再発を予防するための研究を、後者は心電図波形や心拍数の変動の新たな解析手法につなげるための研究を実施。乳児突然死症候群や発作性上室頻拍といった乳児・小児期に発生する不整脈の診断・治療に期待している。「2施設以外にも、10以上の大学でdurantaの活用が進んでいる」(同氏)という。