「来年は名実ともにキヤノンのブースとしての出展を目指す。今年は『キヤノンメディカル』への移行の年。今朝、その決起大会を開いた」――。

 東芝メディカルシステムズ 代表取締役社長の瀧口登志夫氏は、「2017 国際医用画像総合展(ITEM 2017)」(2017年4月14~16日、パシフィコ横浜)の初日に開催した新製品発表会で、キヤノングループとしての再出発への決意をこう語った(関連記事1同2)。

新製品発表会に登壇した瀧口氏
新製品発表会に登壇した瀧口氏
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 同社は2016年12月にキヤノングループ入り。2018年初頭をメドに社名を「キヤノンメディカルシステムズ」に改めることから、今回は「東芝メディカルとして最後の(ITEM)出展になる」(瀧口氏)。展示ブースに「キヤノングループ」と明示するなど、「“Made for Life”という我々のスローガンをキヤノングループとしてさらに推し進めていく」(同氏)姿勢をアピールした。

 キヤノンとのシナジーを報道陣に問われた瀧口氏は「意識改革が起きたことが一番大きい。1万人の社員がキヤノンの一員となり、我々の使命をキヤノンとして実現できる体制が整った」と回答。両社がそれぞれ開発を進めてきた内容に関して、50テーマほどにわたる(協業の)検討をしていることや、生産技術に関するキヤノンのノウハウを、X線CT装置の製造工程などに導入する検討を進めていることを明かした。

 キヤノンは2017年4月、新たな経営の柱と位置付ける医療・ヘルスケア事業を担う「メディカル事業本部」を新設。瀧口氏はその本部長に就任した。事業体としての東芝メディカルの独立性を保ちながらも、キヤノンとの間で「積極的に統合を進める」(同氏)とした。