GFRP製の板ばね
図1 GFRP製の板ばね
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Volvo社の新型「XC90」
図2 Volvo社の新型「XC90」
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 ドイツHenkel社の日本法人であるヘンケルジャパンは、GFRP(ガラス繊維強化樹脂)製のリーフスプリング(板ばね)を、自動車技術展示会「人とくるまのテクノロジー展2016」(2016年5月25~27日、パシフィコ横浜)に出展した(図1)。

 同板ばねは、スウェーデンVolvo社の新型SUV(スポーツ・ユーティリティー・ビークル)「XC90」のリアサスペンションに採用されたものである(図2)。先代のXC90では、リアサスペンションに鋼製のコイルばねを使っていた。新型ではこれをGFRP製の板ばねに代えて、サスペンション全体の質量を4.5kg軽くした。

 新型XC90にGFRP製の板ばねを採用したもう一つの理由は、荷室を広くするためである。Volvo社によると、リアサスペンションにコイルばねを使うと、ばね自体に高さがあるため、荷室を広くするのに制約があったという。そこで、コイルばねよりもばね自体の高さを低く抑えられる板ばねを採用した。

 新型XC90は、Volvo社が新たに開発した中型車両向けプラットフォーム「スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャー(SPA)」を採用した初めての車両である。同社はSPAを適用する他の車両にも、今回のGFRP製の板ばねを使う計画である。