世界で最も多くの電動車両を売る中国BYD Auto社がもがいている。2016年はプラグインハイブリッド車(PHEV)と電気自動車(EV)を合わせて「10万台以上」(同社)販売し、前年比で60%以上増やした。好調な販売の陰で戦略の転換を迫られる様子が、「上海モーターショー2017」で浮き彫りになった(図1)。
中国ではPHEVとEV、燃料電池車(FCV)を「新エネルギー車」(NEV:New Energy Vehicle)と認定し、政府主導で普及させようとしている。PHEVを中心に展開するBYD社はこの波に乗って成長した(図2)。
10万台の販売台数のうち、BYD社は約90%を中国国内でさばく。だが、ここへきて中国の市場環境に二つの大きな変化が訪れている。NEVへの補助金の減額と規制の導入だ。