ドイツVolkswagen(VW)社が、中国で電気自動車(EV)の生産・販売に注力する方針を示した。「上海モーターショー2017」では新しいEVコンセプト車としてSUV(スポーツ・ユーティリティー・ビークル)「I.D. CROZZ」を披露した(図1)。

図1 クーペ風SUVのEVコンセプト「I.D. CROZZ」
図1 クーペ風SUVのEVコンセプト「I.D. CROZZ」
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 「当社は2025年までに年間100万台のEVを販売する目標を掲げているが、このうち60%が中国市場になるだろう」。VWブランドCEO(最高経営責任者)のHerbert Diess氏が2017年4月19日、上海モーターショー2017の会場で開いた記者発表会で語った(図2)。つまり、年間60万台を中国で生産・販売する戦略だ。

図2 EV戦略を説明するVWブランドCEOのHerbert Diess氏
図2 EV戦略を説明するVWブランドCEOのHerbert Diess氏
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 VW社は、電動車両を幅広い車種で展開可能にするためのプラットフォームを開発中である。「Modular Electric Drive Kit(MEB)」と呼ぶ電動化ツールキットがそれで、2020年から投入するEVから適用していく。

 今回発表したI.D. CROZZもMEBを採用する。VW社はI.D. CROZZをベースにしたSUVタイプのEVを2020年に量産を開始する予定だ。Diess氏によると、「欧州だけでなく中国でも生産する」という。