プレゼンテーションを行うSiemens社取締役のKlaus Helmrich氏
プレゼンテーションを行うSiemens社取締役のKlaus Helmrich氏
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 「Additive Manufacturing(AM)は、製造業に創造的破壊をもたらす技術だ」。ドイツSiemens社取締役のKlaus Helmrich氏が「Hannover Messe 2017」(2017年4月24~28日、ドイツ・ハノーバー)のプレスカンファレンスで行ったプレゼンテーションは、Industrie 4.0(インダストリー4.0)におけるAMの重要性を強調する内容だった。

 AMは、Siemens社がたびたび言及する「デジタルツイン」(デジタルの双子)においてリアルワールド側を充実させる重要な技術という位置付けである。デジタルツインというと、シミュレーション技術やセンシング技術などによってリアルワールドと同じものをバーチャルワールドに構築する側面で語られることが多い。しかし、バーチャルワールド側の充実に伴い、今度はバーチャルワールド側の多彩なモデルをリアルワールドに再現するための技術が必要になってきた。その1つがAMである。

 実際、Siemens社はここ10年で米UGS社(現Siemens PLM Software社)、ベルギーLMS International社、米CD-adapco社、米Mentor Graphics社と、バーチャルワールド側の企業を次々と買収してきた。これによって、バーチャルワールド側の開発環境が飛躍的に向上し、多彩なモデルを作成・検討できるようになった。その次の段階として、それらの多彩なモデルを現実世界に再現する技術としてAMに力を注いでいくという。具体的には、DMG森精機、米Stratasys社、ドイツTrumpf社などとの協業を進めている。

バーチャルワールド側の技術を持つ企業を買収してきた
バーチャルワールド側の技術を持つ企業を買収してきた
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AMでさまざまな企業と協業を進める
AMでさまざまな企業と協業を進める
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