村田製作所は、Bluetooth Low Energy(BLE)によるメッシュネットワークを活用したトラッキング(位置推定)システムを開発し、「MEDTEC Japan 2016」(2016年4月20~22日、東京ビッグサイト)に出展した。ネットワークの拡張性や堅牢性に優れることに加え、BLEの特徴から省電力かつ低コストに人やモノの屋内位置情報を推定できる。

発信機とUSBデバイス形状の受信機でメッシュネットワークを構成する
発信機とUSBデバイス形状の受信機でメッシュネットワークを構成する
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 医療・介護現場におけるスタッフの動線管理や、製造現場での備品・資産管理などの用途を想定する。同社はBLE通信モジュールに強みを持つが、単体デバイスとして提供するだけでなく、システム化によって「位置情報という付加価値を提供したい」(同社)と考えた。2016年度内に事業化する計画。

 このメッシュネットワークは、小型・軽量のBLE発信機と、USBデバイス形状のBLE受信機複数個で構成する。通信距離は最大30mほどで、発信機と受信機の間で交わされる通信の受信強度(RSSI)情報を収集し、クラウドサーバーで位置情報に変換することで位置を推定する。解析結果はクラウドにつながるタブレット端末などで閲覧可能だ。