USBデバイスに似た形状のセンサーを本体に挿して使う
USBデバイスに似た形状のセンサーを本体に挿して使う
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 日本電波工業は、その場でのウイルス検出や疾患マーカー検出に向ける手の平サイズのPOCT(point of care testing)検査装置「NAPiCOS Lite」を2016年4月に発売した。血液などの検体をセンサーに10~100μL滴下するだけで、ウイルス感染や疾患を約10分で判定できる。医療機関などでの利用を想定しており、「MEDTEC Japan 2016」(2016年4月20~22日、東京ビッグサイト)に出展した。

 同社のコア技術である水晶振動子を用いた装置で、2015年4月開催の「MEDTEC Japan 2015」に参考出展していた(関連記事)。2015年度に、埼玉県の事業で産業技術総合研究所および鹿児島大学と共同開発を進め、製品化にこぎつけた。産業技術総合研究所がセンサーの修飾膜に関する開発、鹿児島大学が測定の学術的な検証を担当した。

 NAPiCOS Liteでは、USBデバイスに似た形状のセンサーに試料を滴下し、これを装置本体に挿して測定する。測定感度は10ng/mLと高く、装置とBluetooth接続したタブレット端末などに結果を表示できる。感染症のほか、がんやアレルギー、心疾患などさまざまな疾患のスクリーニングに応用したい考え。まずは埼玉県下の医療機関などでの利用を見込む。