左が、表面実装可能なパッケージに封止したGaNパワートランジスタ
左が、表面実装可能なパッケージに封止したGaNパワートランジスタ
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一番左がインバーター基板で、その右にあるのが制御基板。これらをACサーボモーター(一番左)と一体化した。
一番左がインバーター基板で、その右にあるのが制御基板。これらをACサーボモーター(一番左)と一体化した。
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アシストスーツ。肩側にある小さな箱状のものが、駆動部を一体化したACサーボモーター
アシストスーツ。肩側にある小さな箱状のものが、駆動部を一体化したACサーボモーター
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GaNパワートランジスタを適用した小型のACアダプター
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蓄電池システム向けの双方向DC-AC変換器の説明パネル
蓄電池システム向けの双方向DC-AC変換器の説明パネル
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 パナソニックは、APEC 2016の展示場において、同社のGaNパワー素子やSiCパワー素子の製品や、同製品の応用を想定したデモを披露した。

 パナソニックは、同社のGaNパワートランジスタ製品を「X-GaN」と呼ぶ。その特徴は、ゲート電圧を印加しない場合は導通しない「ノーマリーオフ」動作が可能なことである。今回は新たに小型パッケージに封止した製品を披露した。具体的には、耐圧600V、30A品で、表面実装型のパッケージを採用する。従来のTO247パッケージに比べて、大きさはおよそ1/3だという。

 応用事例としては、アシストスーツを駆動するACサーボモーターのインバーターに、GaNパワートランジスタを用いた。これにより、インバーターを小型化し、ACサーボモーターの駆動部(インバーター基板と制御基板)を100ccにまで小さくし、ACサーボモーターと一体化した。一体化したものの体積は、およそ360ccで、重さは1050gである。Siパワー素子を適用した駆動部とACサーボモーターを別々に組み合わせたものは、合計1000ccほどで、重さは1600gほどだったという。

 会場では、駆動部を一体化したACサーボモーターを適用したアシストスーツを着た説明員が、展示ブース周辺を歩いてアピールしていた。アシストスーツは、アクティブリンクが開発した。同スーツは、2015年の鈴鹿8時間耐久ロードレースで、作業員が試用したという。その様子を映像で流していた。

 もう1つは、ACアダプターである。45W級のACアダプターにGaNパワー素子を採用することで、現在のSiパワー素子を利用するものに比べて体積を約1/4にした。具体的には、大きさは50mm×35mmで、厚さを16mm以下にできるという。