人と機械のメリットを融合

 こころみ 代表取締役社長の神山晃男氏は、高齢者とその家族のきずなを深める同社のサービス、「つながりプラス」と「親の雑誌」を紹介した。いずれも「究極の聞き上手集団」(神山氏)を自負する同社ならではのサービスだ。

こころみの神山氏
こころみの神山氏
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 つながりプラスは、高齢者とその家族の間に第3者を介した、会話型の見守りサービス。「傾聴スキル」に関する専門のトレーニングを受けたスタッフが、まずは高齢者のもとを訪問。その後、週に2回の電話で高齢者の生活状況などを聞き取り、それを家族にメールで報告する。第3者に対して話をすることで、高齢者は「家族に直接言いにくいことも話すことができ、外の世界に目を向けて元気になるきっかけになる」(神山氏)。

 親の雑誌は、依頼者の親のこれまでの人生を聞き取りで取材し、16ページ・フルカラーの冊子にまとめるもの。家族のコミュニケーションのきっかけとすることを狙う。

 事業をスケールさせる上で同社が課題と感じているのは、専門スタッフを「安定的に再生産すること」(神山氏)だという。そこで、人手だけに頼らないサービス提供に向けて、会話データの活用などを模索中。テキストマイニングの手法を活用したい考えだ。将来は「人工知能の活用もあり得るが、現状では人によるサービスの方が品質が高い。人工知能の活用には模範となるデータが必要で、今はそこに向けた事例やノウハウを蓄積している段階だ」(同氏)。