SCEの吉田氏
SCEの吉田氏
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 価格と発売時期が明らかになった、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)のVR(仮想現実感)用ヘッドマウントディスプレー(HMD)「PlayStation(PS) VR」。対応ソフトウエアを開発する企業は230社以上で、160本以上のタイトルの開発が進んでいるという。そこで同社のゲーム開発のキーパーソンであるWorldwide Studios プレジデントの吉田修平氏に、VRコンテンツの動向などについて話を聞いた。(聞き手は根津 禎=日経エレクトロニクス)

――VRコンテンツは酔いなどの課題がある。制作ガイドラインなどを設けているのか。

 VR酔いは、個人差があり、酔いやすい人もいれば、酔いに強い人もいる。そこで、なるべく多くの人がVRコンテンツを快適に楽しめるように、ノウハウを貯めてきている。開発者自身が、よい体験を提供できるようにVRコンテンツを調整しているが、我々も、ゲームプラットフォーマ―の立場から、PS VR向けに開発中のゲームを体験し、アドバイスするケースもある。VRコンテンツの開発者で貯めたノウハウを集約し、シェアする活動もしている。例えばセミナーを開催したり、開発者に説明に行ったりしている。VRコンテンツは、これまでのコンテンツとはその「文法」や作り方などが大きくことなるため、学ぶべきことが多く、開発者とはこれまで以上に深くコミュニケーションを取っている。

 酔いはVRにおける一番の課題だ。人間の体は大きく変わらないので、常につきまとう。ただ、VRコンテンツを経験するたびに、慣れていく。実際、我々もVRコンテンツに慣れていった。一方で、ユーザーはそうした経験を積む前にいきなり体験することになるので、注意が必要だ。