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「人間の評価には限界」、精神科疾患に機械学習で挑む

2016/03/23 09:30
近藤 寿成=スプール

 現在、医学領域における大半の疾患は、科学的または数値的な指標に基づいて診断や治療が行われている。しかし、精神科疾患の場合は患者との対話が基本。精神科医は典型的な症例と照らし合わせながら、患者の診断・重症度評価・治療を行っている。

 この精神科疾患に機械学習を利用して定量化に挑むプロジェクトについて、慶應義塾大学 医学部 精神・神経科学教室 専任講師の岸本泰士郎氏がセミナー「ロボット新産業サミット2016」(2016年3月9日、主催:日経Robotics/日経デジタルヘルス)で講演した。

岸本氏
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 精神科疾患にはうつ病、躁病、認知症、総合失調症、パニック障害などが挙げられるが、これらの重症度は客観的に評価するのが難しい。そのため、「治療開始のタイミングが不明確」「治療反応がわかりにくい」「治験(新薬開発)の失敗」といった弊害が出ており、これらは「世界的な問題になっている」と岸本氏は指摘する。

 なぜ精神科疾患の病状は定量化が難しいのか。例えば、ある臨床試験では評価者の患者重症度得点と患者自身が申告した自己評価の重症度得点に、かい離が存在するケースがあるという。また、FDAが認可した薬剤の治験成績を見ても、半数近い治験でプラセボ(偽薬、有効成分を含まない錠剤)との区別が出せていないという結果がある。これはつまり「人間が行う評価には限界がある」ことを示していると岸本氏は分析する。

 このような背景から、岸本氏が現在進めているのが、計算学的なテクノロジーを使って客観的な指標を作るプロジェクト「PROMPT(Project for Objective Measures Using Computational Psychiatry)」。具体的には、患者の表情や声の様子、身体の動き、話の内容などを定量化し、現在の重症度評価と類似した新しい基準を作り出す取り組みだ。

日経デジタルヘルス Special

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