IT機器のセキュリティーの重要性が叫ばれて久しい。たちが最も悪いセキュリティーリスクはハードウエアで発生する。ソフトウエアのセキュリティーリスクはパッチやアップデートでなんとかできるが、ハードウエアのリスクが発覚した場合その対処は難しいからだ。ハードウエア的修理を行うことはソフトウエアより何倍も大変で、機器自体をリプレースするのも簡単にはできない。

 ドイツ・ドレスデンで行われていた「2016 Design, Automation and Test in Europe(DATE 2016)」(3月14日~18日)の3月17日のランチキーノート(基調講演)には、米Mentor Graphics社のCEO兼会長のWalden(Wally) C. Rhines氏が登壇した(下の写真)。「Secure Silicon:Enabler for the Internet of Things」と題して、ハードウエア特にICのセキュリティーリスク回避のために、EDA(Electronic Design Automation)にできることを語った。

Wally Rhines氏 日経エレクトロニクスが撮影。
Wally Rhines氏 日経エレクトロニクスが撮影。

 同氏のメッセージは簡潔だ。EDAはこれまで、想定している動きがIC上で再現されるかどうかを確認、検証するために使われてきた。しかし、セキュリティーリスクを考える場合には、想定外の動きがIC上で発生するかどうかを確認、検証することが重要になるとした。