「医療ビッグデータ・サミット2016」(2016年2月26日、主催:日経デジタルヘルス)に登壇したアイ・エム・エス・ジャパン コンサルティング&サービス プリンシパルの松井信智氏は、製薬企業による“RWD(リアルワールドデータ)”の活用の現状について講演した。

講演する松井氏
講演する松井氏
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 製薬企業は目下、「ジェネリック医薬品の普及もあって成分での差異化が難しくなっており、大型新薬も減っているなど厳しい時期にある」(松井氏)。製薬企業を取り巻く環境はここ数年、大きく2つの点で変化しているという。

 1つはICTやIoTといったテクノロジーの進化により、データの整理や解析が進んだこと。もう1つは顧客に関する変化。地域包括ケアの枠組みの中で、医師や薬剤師、介護士などがICTを使ってコミュニケーションを取るようになってきた。製薬企業にとっては、そのコミュニケーションに加われていないとの危機感があるという。