「マルチだけでここまで仕上げられるのか…」。ある日系メーカーの開発担当者が、1台のコンセプト車の前で釘付けになった。インド最大のモーターショー「デリーモーターショー2018」(Auto Expo2018)の、関係者向けに公開が始まった2018年2月7日の出来事だった。

 驚きを持って迎えられた車両が、スズキの現地子会社であるインドMaruti Suzuki India社が開発した小型SUV(スポーツ・ユーティリティー・ビークル)のコンセプト車「Concept Future S」である(図1)。

図1(a)Maruti Suzuki社が開発した小型SUVのコンセプト車「Concept Future S」
図1(a)Maruti Suzuki社が開発した小型SUVのコンセプト車「Concept Future S」
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図1(b)後ろから
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図1(c)横から
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 Maruti Suzuki社社長の鮎川堅一氏はConcept Future Sについて、「次世代の小型車のデザインを定義できた」と自信をのぞかせる(図2)。インド市場で販売される車両の「75%が小型車」(同氏)で、最大手のMaruti Suzuki社が得意とするところでもある。ただし、低価格帯の車両が中心で、上級車領域への展開を見据えてデザイン性を高めた今回のコンセプト車を用意した。

図2 Maruti Suzuki社社長の鮎川堅一氏(右)
図2 Maruti Suzuki社社長の鮎川堅一氏(右)
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