2017年2月5日~9日に米国サンフランシスコで開催の半導体デバイスに関する国際会議「2017 IEEE international Solid-State Circuits Conference(ISSCC 2017)」をレポートする。
ISSCC 2017
2017年2月5日~9日、米国サンフランシスコで開催
目次
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15.6Gbpsで7.8mWと低いモバイルDRAM向けインターフェース
MIPI C-PHYを利用、SK Hynixらが提案
韓国SK Hynix社と韓国Yonsei Universityの研究グループは、MIPI(Mobile Industry Processor Interface)の物理層「C-PHY」を活用したモバイルDRAM向けインターフェースについて、「ISSCC 2017」で発表した(講演番号 23.8)。
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「半月の月明りで撮像可能」、0.44電子の低雑音撮像素子
静岡大のグループが試作
静岡大学 川人・香川・安富研究室と同大学発のベンチャーであるブルックマンテクノロジの研究グループは、雑音が0.44電子と小さいCMOSイメージセンサー(CIS)を試作し、「ISSCC 2017」で発表した(講演番号:4.8)。市販されているCMOSイメージセンサーの雑音は、「1電子ほど」(研究グルー…
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車載用10MHz動作DC-DCコン、GaN向け回路の注目講演
ISSSCC 2017のセッション25「GaN Drivers and Galvanic Isolators」では、GaNパワーデバイスによる次世代高速パワー・エレクトロニクス・システムの実用化が進行する中、初めての単独セッションとして、GaN用ドライバーおよびデジタルアイソレーターの回路技術が報告…
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新アーキで1GHzのバンド幅、A-D/D-A変換の注目講演
「ISSCC 2017」のデータコンバーター分野のセッションは、開始直後から常に立ち見が出る盛況ぶりで、この分野への変わらない関心の高さを窺わせた。今年は全体で14件の論文が採択され、2つのセッションが構成された。
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4Kの極低温で動作するCMOS回路、イノベーション注目講演
ISSCC 2017のセッション15「Innovations in Technologies and Circuits」では、量子コンピューターやフレキシブルRFIDタグ、デジタル・アーカイブ・システムなど次世代アプリケーション向けの回路技術の発表が注目を集めた。
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パワーアンプ関連の発表が急増、RFの注目講演
ISSCC 2017のRF技術分野ではパワーアンプ関連の発表が急増し、初めて丸1セッションが組まれた。Session 2「Power Amplifiers」がそれである。従来は「RF Techniques」セッションの一部に過ぎなかったパワーアンプ関連技術が1セッションを独占し、平均500名前後の聴…
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56G~64Gビット/秒の高速化の潮流、有線通信の注目講演
「ISSCC 2017」(2017年2月5日~9日、米国サンフランシスコ)の有線通信分野では、56G~64Gビット/秒のトランシーバー向け回路の発表が半数を占め、これまで停滞気味だった高速化の潮流が鮮明になった。低消費電力化では、位相比較回路の工夫による新しいクロック再生技術や、14nm FinFE…
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キヤノン、DR111dBのグローバルシャッター撮像素子
キヤノンはダイナミックレンジが111dBと広い、グローバルシャッター(GS)方式対応のCMOSイメージセンサーを開発し、「ISSCC 2017」で発表した(講演番号:4.5)。2/3型で、画素数は2592×2054。画素ピッチは3.4μmである。消費電力は450mW。講演後のデモセッションでは、開発…
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あらゆるモノが“耳”を持つ時代へ、MITが消費電力1/100の音声認識IC
米Massachusetts Institute of Technology(MIT)は、半導体集積回路の国際学会「ISSCC 2017」で、低遅延かつ低消費電力の音声認識ICについて発表した。MITが開発したのは、IoT(Internet of Things)端末、ロボット、ウエアラブル端末などに…
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ディープラーニングが超盛り上がり、プロセッサー注目講演
Mooreの法則が終焉を迎えつつあるものの、汎用プロセッサーに対する高性能化・高電力効率化に対する要求は留まることはない。例えば、データセンターでは高性能サーバの負荷低減が望まれ、IoT技術の産業化のためにはエッジノードのインテリジェント化と低電力化が欠かせない。また、AI実用化に向けては、ディープ…
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広島大学がテラヘルツ波通信で105Gビット/秒、1チャネルで実現
広島大学 先端物質科学研究科 半導体集積科学専攻 教授の藤島実氏の研究室とパナソニック、情報通信研究機構(NICT)は、テラヘルツ波1チャネルで105Gビット/秒のデータ伝送速度を実現した。
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ソニーら日本勢が世界をリード、イメージャーの注目講演
ISSCC 2017(米国カリフォルニア州サンフランシスコで2017年2月5日~9日に開催)のIMMD(Imager Medical MEMS and Display)分野では、日本勢の発表が注目された。例えば、セッション4「Imagers」では、前回のISSCC 2016と同様に、9件の講演中6件…
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暗号鍵を盗み見されないオンチップ電源、デジタル回路注目講演
ISSCC 2017(米国カリフォルニア州サンフランシスコで2017年2月5日~9日に開催)のデジタル回路(Digital Circuits)分野では、オンチップ電圧レギュレーターに関する2本の講演が特に目を引いた。
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NXPらが超低歪の車載アンプ、アナログの注目講演
ISSCCのアナログ分野のセッションとして「Session 5:Analog Techniques」があった。製品コンセプトと直結した、車載エレクトロニクスやセンサーノードのアナログ回路技術が紹介された。
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東芝WD連合とSamsungが競う、メモリーの注目講演
ISSCC 2017のメモリー分野では、不揮発メモリーで、64層プロセスを使った3次元(3D)NANDで512Gビットチップを2社が発表したり、初のギガビット級STT-MRAMが登場して大きな注目を集めた。SRAMは昨年の10nmから微細化が進み、7nm FinFET用いたチップがこれも2社から発表…
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IBMとEricssonの5G用アンテナ制御IC、無線通信の注目講演
ISSCC 2017のワイアレス(無線通信)分野は、前回からさらにセッション数が増加し4つのセッションになった。無線通信分野では、5Gを含むセルラー(移動通信/携帯電話)向け無線通信のほか、IoTを支える低電力のトランシーバー技術や、レーダーセンサーなど、今後のワイアレスビジネスを予感させる技術が次…
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BLE通信ICの消費電力を2/3に、673μWのデジタルPLL
ロームとimecなどが開発
ロームとベルギーimec、オランダHolst Centreの研究グループは、消費電力が673μWと小さいデジタルPLL(ADPLL:All Digital Phase-locked Loop)を開発し、「ISSCC 2017」で発表した(講演番号:24.7)。2.4GHz帯、例えばBluetoot…
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半導体プロセスで「永久ストレージ」、HDD並みの記録密度も
神戸大学が提案
1000年以上という長期間データを保存可能で、HDD並みの記録密度を備える。そんな「エターナルストレージ」の実現につながる技術を神戸大学大学院 永田三浦研究室のグループが試作し、「ISSCC 2017」で発表した(講演番号:15.8)。
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東芝が802.11ax向けA-D変換器、業界最高水準の電力効率
東芝は、IEEE802.11axといった次世代高速無線LANに向けた12ビットのパイプライン・逐次比較型A-D変換器を開発した。「ISSCC 2017」ではその概要と実現手段などについて講演する。IEEE802.11axで求められる分解能と変換速度を実現しつつ、「電力効率(FOM)」(1変換当たり…
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ソニーと東大が1000fps対応のビジョンチップ、100万画素超で363mW
ソニーグループ(ソニーセミコンダクタソリューションズとソニーLSIデザイン)と東京大学 石川渡辺研究室のグループは、1000フレーム/秒に対応した高速ビジョンチップを試作し、「ISSCC 2017」で発表した(講演番号:4.9)。同チップは主に、撮像素子と取得画像を基に特徴量抽出などを行う演算器(プ…