「ISSCC 2016」(2016年1月31日~2月4日、米国サンフランシスコ)のセッション26「Wireless for IoE」では、今後のIoEを担う低電力の無線技術が続々紹介された。あらゆる機器を無線で接続することを期待して、低電力の送受信機がBluetooth Low EnergyやWiFi、GPSなど各種の規格で求められているからだ。

 オランダTwente大学は、リファレンスを送信してインバンドの干渉を抑えた受信機を報告した(論文26.2)。所望波より50dBも大きい妨害波がある中で、10kビット/秒の受信を135μ~175μWという超低電力で実現している。低電力化の技術の中でも、干渉に強い方式は実際のシステム動作上で有効な技術である。

 ソニーは、異なる2種類のGPS信号を同時に受信できるGNSS受信機を発表した(論文26.5)。0.7Vの動作電圧で2.3mWという低電力での動作を実証している。28nmのFD-SOIで製造し(日経テクノロジーオンライン関連記事)、雑音指数が2.5dBと優れた特性を示した。