図1
図1
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図2
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 ルネサス エレクトロニクスは、自動運転などを担う車載コンピューティングシステムの中核となるSoC向けに、ハードウエアの故障を予測し未然に防ぐ技術を開発、開催中の「ISSCC 2016」(2016年1月31日~2月4日、米国サンフランシスコ)で発表した。同社の車載IC「R-Car」シリーズなどへの搭載を計画している。

 自動運転の実用化が近づく中、大規模で複雑な車載ICには高い安全性が求められている。自動車メーカーや車載機器メーカーは「ハードウエア障害起因の故障が107時間(約1140年)に1個以下」という基準「ISO26262 ASIL-B」を要求しているという(図1)。同社が開発したICは、9個のCPUコアやGPUコアを搭載する大規模SoCで、16nmのFinFETプロセスで製造する(図2)。

 比較的単純なICなら、複数の回路を搭載して処理させて、異なる結果が出た場合に特別な対処をしたり、多数決で結果を選んだりして障害の影響を抑えることができる。大規模になると、冗長化が難しくなる。そこで大きく2つの技術を導入した。