プレス成形ラインや金型を手掛けるスウェーデンAP&T社は、同社の設備を使う同Volvo社のSUV(スポーツ・ユーティリティー・ビークル)「XC90」のフロント・サイド・メンバーとBピラーを「オートモーティブワールド2017」に出品した(図1)。

Volvo社のSUV「XC90」のフロント・サイド・メンバー(左)とBピラー(右)
図1 Volvo社のSUV「XC90」のフロント・サイド・メンバー(左)とBピラー(右)
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 両部品は、いずれも590MPa級と1.5GPa級の超高張力鋼板をレーザー溶接で一体化したテーラードブランク材を用いて成形されたもの。ホットスタンプで成形する。しかも、フロント・サイド・メンバーのテーラードブランク材は板厚一定だが、Bピラーのテーラードブランク材は板厚徐変になっている。最も厚い部分で2.7mm、最も薄い部分で1.6mmと、板厚が連続的に変化したものを使っているという。

 フロント・サイド・メンバーでは、衝撃を吸収する車両前方側に590MPa級の超高張力鋼板を使い、キャビン側に1.5GPa級の超高張力鋼板を使う。一方、Bピラーでは、Bピラーの下部に590MPa級の超高張力鋼板を配し、側面衝突時の衝撃を吸収できるようにしている。

 AP&T社の説明員によれば、ホットスタンプ用のプレス機だけでなく、ホットスタンプ用のライン全体を1社で提供できるのが同社の強みという。