CFRTPハイブリッド成形で試作した部品(表側)
CFRTPハイブリッド成形で試作した部品(表側)
表側は、連続繊維を使ったプレス成形部となっている。右は、バリを取っていないもの。
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CFRTPハイブリッド成形で試作した部品(裏側)
CFRTPハイブリッド成形で試作した部品(裏側)
リブなどの複雑な形状を持つ裏側は、射出成形で造っている。
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 自動車部品の試作などを手掛ける浅野は、炭素の連続繊維で強化した熱可塑性樹脂(CFRTP)をプレス成形する部分と、炭素の長繊維で強化したCFRTPを射出成形する部分から成る部品を、1工程で一体成形する「CFRTPハイブリッド成形」技術を開発した。その試作品を、「オートモーティブワールド2017」に出品した。一つの金型を使って、炭素繊維の織物に熱可塑性樹脂を含浸させたプリプレグのシートをプレス成形するとともに、リブやボスなど同シートのプレス成形では造りにくい部分を長繊維のCFRTPによる射出成形で一体成形する。軽量化に役立つ技術で、質量は鋼材だけで同一の部品を造った場合の約1/4にできるという。

 通常、連続繊維を使うプリプレグのプレス成形では、部品の強度を高められるが、繊維の流動性が限られるため複雑な形状を造りにくい。一方、長繊維を使う樹脂成形部は、繊維が切断されていることから流れやすく複雑な形状を造りやすいが、連続繊維を使ったものほどの強度は持たせられない。同社の成形法は、部位によってそれらを使い分けることを可能にする。