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DATE 17 

がん治療にEDAの技術が寄与、元IBMの研究者が基調講演

  • 小島 郁太郎
  • 2017/04/11 09:00
  • 1/2ページ

 「50年間にわたって、問題の規模が毎年2倍になるソフトウエアを開発してきたのはEDA(Electronic Design Automation)技術者くらいのものだろう。その技術を他の分野で生かそう」。米IBM社の研究者だったSani R. Nassif氏が、「DATE 17(Design, Automation and Test in Europe 17)」(3月27日~31日にスイス・ローザンヌで開催」の30日昼の基調講演で呼びかけた。同氏は現在、EDA開発で培った技術を医療(放射線治療)に生かすベンチャー企業「米Radyalis社」のCEOを務める。

Sani R. Nassif氏。日経テクノロジーオンラインが撮影。
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 Mooreの法則が続いてきたおかげで、ICの機能や性能は向上してきた。それに歩調を合わせて進展してきたのが、IC設計に使うEDAツールである。例えば、1チップに搭載されるトランジスタ数が増えれば、EDAツールが扱う問題の規模はそれにつれて大きくなる。問題の規模が大きくなると同時に、EDAツールが稼働するコンピューターのプロセッサーの演算処理能力は上がり、メモリー容量は増える。単に大きな問題を解くだけでなく、新たな稼働環境を前提にEDAツールのアーキテクチャーを見直す必要が出てくる。

 Nassif氏は、講演でIBMの研究者が、ベンチャー企業のRadyalisを興すことになった経緯を説明した。筆者は、多くの企業が研究から撤退する中でもIBMは研究所を維持しており、研究者に居心地が良いと思っていた。ところが、そんなIBMでも、「上層の経営層は、研究者が携わっている研究の中身までは理解していなかった」とNassif氏は言う。それは不満だったとしているが、同氏の転機は、そんな経営層によってもたらされた。

上司ががんセンターで聞いた言葉がきっかけに。Radyalisのスライド。
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 Nassif氏の上司が、がん治療研究で著名な「The University of Texas MD Anderson Cancer Center」を訪れた。その上司がモンテカルロ解析という言葉をそこで聞き、それならばIBMの研究所でも扱っている、という話になった。がんの放射線治療では、複数の放射線源を使い、ターゲットのがんの死滅を狙いつつ、他の部位には放射線の影響が及ばないようにすることが求められる。このため、各放射線源のドーズ量(強さや大きさ)を最適化する必要がある。この最適化問題を解くのに、モンテカルロ解析が使われるが、その解析に長時間を要することが課題になっていたという。

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