DATE 17(3月27日~31日)の開催地のスイス・ローザンヌはEPFL(École Polytechnique Fédérale de Lausanne:スイス連邦工科大学ローザンヌ校)のおひざ元である。EPFLにおけるEDAのレジェンドと言えば、Giovanni de Micheli教授だ。米Stanford Universityで論理機能設計の自動化に関する研究で長く教授を務めた(筆者注:Yahoo! 共同創業者のJerry Yang氏は愛弟子)後に、EPFLに移った。現在はEPFLで数十億スイスフランのプロジェクトである「Nano-Tera」(ホームページ)のプロジェクトリーダーを務めている。

Giovanni de Micheli教授 日経テクノロジーオンラインが撮影。
Giovanni de Micheli教授 日経テクノロジーオンラインが撮影。
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 DATE 17では毎日、ランチタイムの後半にランチ基調講演が行われる。口頭発表が始まった28日のランチ基調講演には、そのde Micheli教授が登壇した。「Precision Medicine: Where Engineering and Life Science Meet」(講演番号 7.0)と題して、Nano-Teraにおけるヘルスケア関連の成果を説明した。

 健康で長生きしたい。それは誰しもが願うことである。Nano-Teraでは、「Cyber Medicine」と題して、電子機器を使った投薬の効率化、低コスト化、ライフスタイルの中での電子福祉の展開を目的としてプロジェクトが進められた。その手段は、電子機器とセンサーの融合、センシングシステムのプラットフォームの設計、そして無線を使った接続性の確保などである。例えば、慢性患者に対しては、体温や酸素飽和度、血圧などを非侵襲で得られる値を測定したり、血糖値や乳酸値、コレステロール値など、侵襲しないと得られないデータをセキュアーかつ最小電力供給で転送することによって、遠隔での投薬などが実現できるとした。

「Cyber Medicine」で開発した機器の例 EPFLのスライド。
「Cyber Medicine」で開発した機器の例 EPFLのスライド。
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