スイスのバス事業者大手のPostBus Switzerland社は、同社が実証実験中の自動運転コミュニティーバス「SmartShuttle」の走行デモンストレーションを、CeBIT 2017(ドイツ・ハノーバー、3月20日~24日)の会場で行っている(関連ニュースリリース)。ホール13の半分を使って2台のSmartShuttleを走らせており、CeBIT参加者は誰でも試乗できる。

ホール13の半分を使い走行デモ。日経テクノロジーオンラインが撮影。
ホール13の半分を使い走行デモ。日経テクノロジーオンラインが撮影。
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 会場でスイスPostBus Mobility Solutions社のRamon Muller氏に話を聞いた。PostBusはスイスで2200台、フランスで900台のバスを運行している大手のバス事業者であり、実際のバス事業者が自動運転車を検証している意義は大きいとした。同氏によれば、検証の目的は2つある。1つは技術の検証。もう1つは社会が自動運転バスを受け入れるかどうかを見ているとする。例えば、運転手がいないバスに抵抗感を持たないかを見たいとのことだった。

Ramon Muller氏。後ろがSmartShuttle。日経テクノロジーオンラインが撮影。
Ramon Muller氏。後ろがSmartShuttle。日経テクノロジーオンラインが撮影。
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 数年前からプロジェクトは始まり、2016年夏からはスイスのSion市の公道1.6kmで実証実験を行っている。Sion市の公道実験ではすでに1万6000人ほどが試乗し、CeBITでは初日の20日(取材は21日に実施)だけで1732人が試乗したという。公道実験でもCeBITのデモでも試乗した人の評価は極めて良いとのことだが、実用化の(すなわち、PostBusが実際に事業として行う)時期はまだ決まっていないとのことだった。

前に停まっているバスがあると、衝突しないように手前で停止する。 日経テクノロジーオンラインが撮影。
前に停まっているバスがあると、衝突しないように手前で停止する。 日経テクノロジーオンラインが撮影。
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