安倍首相がドイツ・ハノーバーで開催の「CeBIT 2017」(3月20日~24日)の前夜祭で予告した通り(関連記事:安倍首相が予定通りCeBITに登場、ハノーバー宣言を予告)、ハノーバー宣言に日独大臣が署名した(経済産業省ニュースリリース)。日本は経産省の世耕大臣と総務省の高市大臣、ドイツはツィプリス経済エネルギー大臣が署名した(なお、高市大臣は現地入りしていないため、代理が出席)。

前夜祭で講演する安倍首相 日経テクノロジーオンラインが撮影。
前夜祭で講演する安倍首相 日経テクノロジーオンラインが撮影。
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 前夜祭で安倍首相は、同宣言の項目の1つとして、日独が協力して技術表記の国際標準化に取り組むことを挙げていた。その際、メルケル首相に次のように呼びかけた「子供のころに組み立てた鉱石ラジオの回路図、言語が違っていても理解できる良い例ですよね」と。安倍首相は、この技術標準化以外にも、前夜祭で、日独が一緒に取り組むべきことを複数挙げている。例えば、中小企業育成や人材育成などである。経産省の発表によればハノーバー宣言に明記された新たな協力内容は9つあるが、前夜祭の安倍首相のスピーチにほとんど項目が含まれていた。「詳細はまだ言えない」と前夜際では話していたが、記者としては「1本取られた」。

ハノーバー宣言は9項目からなる 経産省の資料。
ハノーバー宣言は9項目からなる 経産省の資料。
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 経産省の発表資料に見られない内容では、AIに関するコメントが安倍首相からあった。例えば、AIで強化された機械とヒトは生涯にわたって手を組むもので、そうしたAI化機械がヒトの職を奪うことはない。むしろそのようなAI化機械が高齢化や人口減少と言った日本がかかえる課題を解決していくとした。