2016年1月15日まで開催された「第45回インターネプコン ジャパン」と「第2回ウェアラブルEXPO」(いずれも1月13~15日、東京ビッグサイト)では、「3D実装」に関する展示が目に付いた。半導体や電子部品のパッケージ内の3次元実装(積層)ではなく、曲面で構成した筐体などへの部材の実装や、機能性の部材を3次元構造に作り込む実装を指す。

 多くの電子機器では、部材を実装したプリント配線基板を筐体に取り付けるのが一般的だった。今回目に付いた3D実装では、例えば自動車のダッシュボードまわりやヘッドライトなどで曲線ベースの筐体へ直接に部材を実装する。

図1●曲面を含む3次元形状の筐体に部品を実装
図1●曲面を含む3次元形状の筐体に部品を実装
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図2●確認画面
図2●確認画面
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 FA機器の制御ソフトウエアなどを手がけるソフトサービスは、すり鉢形状の筐体の内側に電子部品などを実装する製造装置をインターネプコン ジャパンで展示した。1年ほど前から展示会などでデモをしてきたという。部材のピックアップに細長いアームを使い、筐体を固定するステージも3軸直線および1軸回転の動きができる。筒の内面に部材を取り付けることも可能という。

 同社は、幅広い応用を想定しており、特に注目しているのが自動車のヘッドライトだ。ヘッドライトでは、夜間の視界確保や自動運転に向けて明るいレーザー光源の普及が見込まれている。レーザー光源の発光効率は、非レーザーのLED光源と比べて低く、使用時の放熱が課題になっている。今回の装置を使うと、曲面形状の金属製反射板に直接にレーザー素子を実装して低コストに高い放熱性を確保できる可能性がある。