あらゆる業種の企業が環境技術やエコプロダクツ、サービスを展示していた「エコプロダクツ 2015」(2015年12月10〜12日、東京ビッグサイト)。多数来場していた小中学生から大人気だったのが、バンダイナムコグループのブースだ。環境に配慮したモノづくりへの取り組みの1つとして、「機動戦士ガンダム」シリーズのプラモデル(いわゆるガンプラ)が紹介されていた。

 まずは素材(原料)。「ガンダム」といえば「ガンダリウム合金」の開発がカギになったとされているが、ガンプラでは「KPS(強化ポリスチレン)」が開発されたとのこと。もともとガンプラはPS(ポリスチレン)製で、可動部分が増えるにつれて強度と耐久性の高いABSを部分的に使用するようになったものの、塗料が付着しづらいという課題があり、KPSの開発に至ったという。2010年に開発に着手、2012〜2013年に本格的に使われ始め、使用量は年々増加しているという。どこがエコかと言えば、このKPSはリサイクル可能である点。ABSの端材は産業廃棄物となっていたが、KPSはほかのPS材と一緒にリサイクルできる。

KPSに関する展示パネル。
KPSに関する展示パネル。
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KPS素材を使ったガンプラ。
KPS素材を使ったガンプラ。
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 次はランナー材料の削減。径を細くする、外枠ランナーの角を丸くする(短くする)、パーツ密度を上げてランナー枠を減らす、さらにパーツによっては外枠ランナーをなくすといった工夫がされている。

ランナー削減のための工夫。
ランナー削減のための工夫。
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 さらに、多色成形機を使うことで、使用材料と使用電力量の低減に成功したという。同社では4色、4種の異素材を同時に成形できる技術を開発した。単色成形では4枚必要になる部品を1枚に収めることができるため、外枠ランナーが削減できるというわけだ。その差は57.5t(2013年度実績、単色成形機を使った場合と比べて)にも及ぶという。多色成形機自体も進化しており、使用電力量の削減に貢献している。

多色成形の展示パネル。多色成形には「誰でも組み立てやすく、かっこよく作れる」ようになるという特徴もあるという。
多色成形の展示パネル。多色成形には「誰でも組み立てやすく、かっこよく作れる」ようになるという特徴もあるという。
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