米Broadcom社が2017年11月6日、米Qualcomm社に総額1300億米ドル(約15兆円)での買収を提案した。実現すれば、半導体業界で過去最大の買収になる。買収額の大きさもさることながら、現在オランダNXP Semiconductor社の買収プロセスの最中にあるQualcomm社を、さらに買収しようとする大胆な動きに驚きの声が多く上がっている。
Broadcom社の業態は、日本ではあまり知られていない。このため、買収額の大きさだけが議論されることが多いが、結局何がしたくてBroadcom社が度重なるM&Aを進めているのか明確にはなっていない。単に大きな会社になれば規模に見合った競争力を手中にできるほど、半導体業界は単純ではないはずだ。Broadcom社が買収を繰り返す背景には、何らかのビジョンとそこに至るシナリオがあると思われる。
今回のテクノ大喜利では、稀代の「買収王」、Hock E. Tan氏が率いるBroadcom社が、何を目指しているのか、その可能性と波及効果をあぶり出すことを目的とした。最初の回答者は、野村證券の和田木哲哉氏である。同氏は、Broadcom社のルーツをたどり、そこから同社には何が見えているのかを考察した。
野村證券 グローバル・リサーチ本部 エクイティ・リサーチ部 エレクトロニクス・チーム マネージング・ディレクター