扱う半導体の品ぞろえが増えていくことは、半導体メーカーにとってはめでたいことだ。では、ユーザーの立場からは、1社の半導体メーカーに機器を構成する主要な機能がドンドン集中していく状況はどのように見えるのだろうか。
汎用性の高い部品を集めて機器を構成する場合には、機器メーカーの独自性も盛り込みやすく、部品調達での2社購買などもしやすい。しかし、圧倒的に強い半導体メーカーに機能が集中してくると、そんな機器メーカーの工夫はしにくくなる。パソコンやスマートフォンでは、こうした筋道をたどっていった。
完成度の高いチップセットは、市場の拡大に大いに貢献する。その一方で、機器メーカーにとっては、競合他社との差異化が難しくなる。Qualcomm社にさまざまな技術が集中していく様は、半導体ユーザーにはどのように映っているのか。某ICT関連企業のいち半導体部品ユーザー氏が、率直な意見を吐露した。
(記事構成は伊藤元昭)
某ICT関連企業