IoTシステムのエッジ側に置く機器に必要な技術のほとんどをそろえたQualcomm社。これまで同社がスマートフォンなどで展開してきたビジネスを考えれば、完成度の高いチップセットを開発し、IoT関連機器を作るメーカーに提供することで、応用市場の裾野の拡大に貢献していくことが予想される。そして、同社の技術と製品は、IoTの応用の広がりと技術の進化を律していくような影響力を持つかもしれない。
ただし、IoTではもう1社、技術面でも事業面でも、大きな影響力を及ぼす可能性を秘めた企業がある。ARM社だ。少なくとも、ARM社を買収したソフトバンクは、いかにしてIoT市場に君臨するポジションに上るのかで頭がいっぱいだ。IoT市場に生まれたQualcomm社とARM社という2つの求心力は、市場の中で何を競うことになるのか。そしてQualcomm社がIoT市場に君臨するための課題はどこにあるのか。アーサー・D・リトルの三ツ谷翔太氏が分析した。
(記事構成は伊藤元昭)
アーサー・D・リトル(ジャパン) プリンシパル