ブロックチェーンは、既存の社会システムの運営方法を根本的に変えてしまう可能性を秘めている。仮想通貨は、そうした秘められた効果の一端を、私たちが目にした最初の例である。おそらく、これは始まりにすぎない。取引や契約が交わされるあらゆるところで、ブロックチェーンの活用を中核に据えたイノベーションが起きる可能性がある。
さまざまな業種が社会に提供するサービスは、既存の社会システムの下で使われることを前提として最適化されている。そうしたサービスに使われているITシステムの構造や機能、さらには電子機器の構造や機能もまた同様だ。ブロックチェーンの活用が広がることで、これまで規制や制度が果たしてきた役割がシステムや機器に移り、その構造や機能の再定義が始まるかもしれない。
電気・電子、機械産業へのブロックチェーンの波及効果を議論している今回のテクノ大喜利。2番目の回答者はアーサー・D・リトルの三ツ谷翔太氏である。同氏は、既存の社会システムを運営していくための両極端な方法、統治者による運営と市場原理による運営を比較対象として、ブロックチェーンで可能になる新たな運営方法を位置付け、そこから電気・電子産業へのインパクトを考察した。
アーサー・D・リトル(ジャパン) プリンシパル