調査会社のGartner社が毎年恒例の、新興技術に対する関心の高さや普及度合いなどをまとめたグラフ「Hype Cycle for Emerging Technologies, 2017(新興技術ハイプ・サイクル2017年版)」を発表した。ハイプ・サイクルとは、技術が登場して期待が高まり、次第に普及していく過程を「黎明期」「過度な期待のピーク期」「幻滅期」「啓蒙活動期」「生産性の安定期」の5つのフェーズに分類して、今話題の技術がどのようなフェーズにあるのかを明示したものだ。投資のリスクやタイミングを大まかにイメージする場合の参考トレンドとして広く活用されている。
2017年版では、3つのトレンド「AI」、拡張現実(AR)や仮想現実(VR)など「没入型の体験」「デジタル・プラットフォーム」に関連した技術がピックアップされて、現時点での位置付けが示されている。ただし、過去のハイプ・サイクルを見直してみると、トレンド予測の常ではあるが、「確かに」と思える部分、「過小評価だった」と思える部分、「もはや懐かしい」と感じる部分も多々ある。
テクノ大喜利では、「ハイプ・サイクル2017、私の視点」と題して、マクロ的な観点とミクロ的な観点の両面から、2017年版ハイプ・サイクルを見て感じたことを議論していただいた。まずは、マクロ的な視点からアーサー・D・リトルの三ツ谷翔太氏に回答していただいた。同氏は、ハイプ・サイクルの中に感じる違和感に着目して、ビジネスシーンを一変させるイノベーションの創出につながる起点が大きく変わってきていることを論じた。
アーサー・D・リトル(ジャパン) プリンシパル